ゴルフクラブを選ぼうとする際、「ゴルフクラブの選び方」と「身長」を組み合わせて情報を探している方は多いのではないでしょうか。
自分の身長に合ったクラブがどのようなものか、身長がどれくらいプレーに影響するのか、具体的な基準が分からず悩んでいるかもしれません。
身長とクラブの長さや角度は、ゴルフスイングの基本となる「構え(アドレス)」に直接影響を与えます。
もし身長に合わないクラブを使い続けると、スイングに変な癖がついてしまったり、スコアが伸び悩む原因になったりすることも考えられます。
この記事では、身長を基準にしたゴルフクラブの選び方に関する基本的な知識から、具体的なチェックポイントまでを分かりやすく解説します。
身長とクラブの関係性を正しく理解し、ご自身に最適な一本を見つけるための参考にしてください。
この記事を読むことで、以下の点について理解を深められます。
記事のポイント
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身長がクラブ選びにどう影響するかが分かる
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身長に合わないクラブのリスクを理解できる
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身長以外に考慮すべき点が明確になる
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身長に合わせたクラブ選びの具体的な方法が学べる
目次
ゴルフクラブ 選び方と身長の基礎知識
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身長がクラブ選びで重要な理由
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身長に合わないクラブのデメリット
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身長以外に考慮すべき要素とは?
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手首から床までの長さの測り方
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クラブの種類と身長の影響
身長がクラブ選びで重要な理由
ゴルフクラブ選びにおいて身長が重視されるのは、身長がスイングの土台となる「構え(アドレス)」の姿勢に直接的な影響を及ぼすためです。
ゴルフは、地面にあるボールを、適切な角度と軌道でクラブフェースを当てて打つスポーツです。
身長が高ければ、当然ながら地面から手元までの距離が遠くなります。
逆に身長が低ければ、手元は地面に近くなります。
この基本的な体のつくりに対して、クラブの長さや角度(特にライ角)が適正でないと、ゴルファーは無理な姿勢で構えざるを得ません。
例えば、身長が高い人が標準的な長さ(または短すぎる)クラブを使うと、背中を大きく丸めて深い前傾姿勢を取る必要が出てきます。
逆に身長が低い人が長すぎるクラブを使えば、棒立ちのような浅い前傾姿勢になりがちです。
このように、構えが不自然になると、それに続くスイング軌道も不安定になります。
正しいスイングを身につけ、ボールを安定して打つためには、まず自分の身長(体格)に合ったクラブを使い、自然な構えを作ることが全てのスタートラインとなるのです。
身長に合わないクラブのデメリット
身長に合わないゴルフクラブを使い続けることには、いくつかの明確なデメリットが存在します。
これらは上達を妨げる要因となるため、注意が必要です。
最大のデメリットは、正しいスイングフォームが身につかないことです。
前述の通り、クラブが体格に合っていないと、構えの時点で無理が生じます。
短すぎるクラブを使った場合
身長に対してクラブが短すぎると、前傾姿勢が通常よりも深くなります。
膝も余計に曲げる必要が出てくるかもしれません。
このような深い構えは、スイング軌道が必要以上に縦振り(アップライト)になりやすく、結果としてボールが右に飛び出す「スライス」や、ボールの手前を叩く「ダフリ」といったミスの原因になります。
長すぎるクラブを使った場合
逆にクラブが長すぎると、構えが起き上がりがちになります。
前傾姿勢が浅くなり、ボールから遠く立つことになります。
この状態では、スイング軌道が横振り(フラット)になりやすく、ボールが左に飛ぶ「フック」や、ボールの上部を叩く「トップ」のミスが出やすくなります。
また、どちらの場合も、体に合わないクラブで無理なスイングを繰り返すことは、腰や背中、手首といった特定の部位に余計な負担をかけることにつながります。
これが積み重なると、ゴルフ特有の怪我を引き起こすリスクも高まります。スコアメイクだけでなく、長くゴルフを楽しむためにも、体に合ったクラブ選びは欠かせません。
身長以外に考慮すべき要素とは?
身長はクラブ選びの重要な指標の一つですが、身長だけを見てクラブを決めるのは十分ではありません。
同じ身長の人でも、腕の長さや股下の長さは異なるため、実際のスイングに影響する「手首の位置」が変わってくるからです。
そこで、身長とともにもう一つ重要視されるのが「手首から床までの長さ」です。
この長さが、構えた時の手と地面との距離に直結します。
例えば、同じ身長170cmのAさんとBさんがいたとします。
Aさんの方がBさんより腕が長い(手首から床までの長さが短い)場合、AさんはBさんよりも短いクラブが合うか、あるいは同じ長さでもライ角をフラット(寝かせる)に調整する必要があるかもしれません。
さらに、体力やスイングの速さ(ヘッドスピード)も考慮に入れるべきです。
身長が高くてもヘッドスピードが遅い場合は、長く重いクラブより、標準的な長さで軽いクラブの方が振りやすいでしょう。
逆に小柄でも筋力がありヘッドスピードが速い人は、短めでもしっかりとした重さや硬さ(フレックス)のあるシャフトが合う可能性があります。
このように、身長はあくまで基準の一つであり、腕の長さや体力、ゴルフの習熟度といった複数の要素を総合的に見て判断することが大切です。
手首から床までの長さの測り方
ゴルフクラブ選びの重要な指標となる「手首から床までの長さ」は、比較的簡単に測定できます。
この数値を知っておくと、クラブフィッティングを受ける際や、メーカーの推奨チャートを見る上で非常に役立ちます。
測定は一人で行うのが難しいため、可能であれば他の人に手伝ってもらうことをお勧めします。
測定の手順
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まず、ゴルフをプレーする時と同じように、ゴルフシューズ(またはそれに近い高さの靴)を履きます。裸足やスリッパでの測定は誤差が大きくなるため避けてください。
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背筋をまっすぐ伸ばし、リラックスして直立します。腕は力を抜き、自然に体の横に垂らした状態にします。
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測定する人は、床から、腕を垂らした状態の手首にあるシワ(手のひら側にできる一番上のシワが目安です)までの垂直な距離をメジャーで測ります。
この測定値と身長のデータを組み合わせることで、メーカーが提供するフィッティングチャートなどを参照し、自分に適したクラブの長さやライ角の目安を知ることができます。
例えば、「身長175cmで手首から床まで88cm」といったデータが、適切なスペックを導き出すための基準となります。
クラブの種類と身長の影響
身長がクラブ選びに与える影響は、全てのクラブで一様ではありません。
特にその影響が顕著に現れるのは、地面の上にあるボールを直接打つ機会が多い「アイアン」です。
ドライバーはティーアップして打つため、ボールの高さをある程度調整できます。
そのため、長さがスイングのしやすさ(振り切れるか)やミート率に影響しやすいものの、アイアンほどライ角(シャフトとヘッドの底面が作る角度)の影響をシビアに受けません。
一方、アイアンは番手ごとに長さが決められており、芝生の上から正確に打つ必要があります。
この時、身長と腕の長さにライ角が合っていないと、構えた時点でフェースの向きがズレてしまいます。
前述の通り、ライ角が合わないと、意図せずボールが左右に曲がる原因となります。
身長が高い人はライ角がアップライト(立つ方向)に、低い人はフラット(寝る方向)に調整が必要となるケースが多いです。
パターやウェッジについても、長さが構えやすさやストロークの安定性に直結します。
特にパターは、長さが合わないと前傾姿勢が深すぎたり浅すぎたりして、目の位置がボールの真上からずれ、正確なライン読みやストロークが難しくなります。
身長を基準にしたゴルフクラブ 選び方
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ドライバーの長さと身長の関係
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アイアンのライ角と身長
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レディースとメンズの違い
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身長別クラブ長さの目安
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身長に合うゴルフクラブ 選び方の総括
ドライバーの長さと身長の関係
ドライバーの長さは、飛距離と正確性(ミート率)のバランスに影響します。
一般的に、クラブが長い(長尺)ほどヘッドスピードが上がりやすく、最大飛距離が伸びる可能性があります。
そのため、身長が高い人は、その分だけ腕も長い傾向にあるため、長いドライバーを比較的扱いやすいと考えられます。
しかし、長いクラブは同時に、スイングの軌道が不安定になりやすく、振り遅れやコントロールミスを招きやすいというデメリットも持っています。
どれだけヘッドスピードが上がっても、クラブの芯(スイートスポット)でボールを捉えられなければ、飛距離ロスや方向性の悪化につながります。
市販されているドライバーの多くは45インチから46インチ程度です。
例えば身長が180cmを超えるような人であれば、46インチ以上の長さを試す価値はあるかもしれません。
逆に身長が165cm以下の人が、闇雲に長いドライバーを使うと、振り切れずにミート率が著しく低下する可能性があります。
大切なのは、ご自身の身長や体力で「安定して振り切れる長さ」を見つけることです。
最大飛距離を狙う長さではなく、安定して芯に当て、平均飛距離を稼げる長さが、結果としてスコアメイクに貢献するドライバーの長さと言えます。
アイアンのライ角と身長
アイアン選びにおいて、身長と密接に関係するのが「ライ角」です。
ライ角とは、クラブを地面に置いたときに、シャフトと地面(ソール)が作る角度のことを指します。
このライ角が身長や腕の長さに合っていないと、スイングが正しくてもボールは真っ直ぐ飛びません。
ライ角が適正でない場合の影響
適切なライ角で構えると、インパクトの瞬間にクラブの底面(ソール)が地面と平行に接触します。
しかし、ライ角が合っていないと以下のような現象が起きます。
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アップライトすぎる場合(主に身長が高い人)
身長に対してライ角が立ちすぎている(アップライト)と、構えた時やインパクト時にヘッドのヒール側(手前)が地面に強く当たり、トウ側(先端)が浮き上がります。これによりフェースは左を向き、ボールは意図せず左方向に飛び出しやすくなります(フックや引っかけの原因)。
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フラットすぎる場合(主に身長が低い人)
身長に対してライ角が寝すぎている(フラット)と、逆にトウ側が地面に強く当たり、ヒール側が浮き上がります。これによりフェースは右を向き、ボールは右方向に飛び出しやすくなります(スライスやプッシュアウトの原因)。
多くのゴルフショップや工房では、専用の計測器(ライボード)を使って適正なライ角を診断し、アイアンのネック部分を曲げて数度の範囲で調整が可能です。
身長が高い、あるいは低いと感じる方は、一度ライ角のチェックを受けることをお勧めします。
レディースとメンズの違い
ゴルフクラブには、主に「メンズモデル」と「レディースモデル」が存在します。
この違いは、ターゲットとするゴルファーの平均的な身長と体力(ヘッドスピード)に基づいています。
レディースモデルは、一般的に女性の平均身長や筋力に合わせて設計されています。
メンズモデルと比較した場合、以下のような特徴があります。
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長さ: メンズモデルよりも約1インチ(約2.54cm)程度短く設定されていることが多いです。これにより、小柄な方でも構えやすく、振り抜きやすい仕様になっています。
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重さ: クラブ全体の総重量が軽く作られています。ヘッドも軽量に設計されているものが多く、非力な方でもヘッドスピードを上げやすい工夫がされています。
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シャフトの硬さ: シャフトは非常に柔らかく設計されており、一般的に「Lフレックス(レディース)」や「Aフレックス(アベレージ。Lより少し硬め)」といった表記がされています。
ただし、この区分は絶対的なものではありません。
例えば、身長が170cm以上ある女性や、スポーツ経験者で体力に自信がある女性の場合、レディースモデルでは軽すぎたり、柔らかすぎたりしてタイミングが合わないことがあります。
そのような方は、メンズモデルのシニア向け(RフレックスやSRフレックス)や、軽量なシャフトが装着されたモデルを試してみるのも一つの方法です。
逆に、非常に小柄な男性や、これからゴルフを始める体力に自信のない男性が、レディースモデル(特にAフレックス)を使用することも選択肢として考えられます。
身長別クラブ長さの目安
ゴルフクラブの長さに関して、身長別の厳密な基準を設けるのは難しい側面があります。
なぜなら、前述の通り、多くの市販クラブ(特に国内メーカー)は身長170cm前後を基準として設計されており、±5cm程度(165cm~175cm)の身長であれば、標準の長さで対応できるケースが多いためです。
また、重要なのは身長そのものよりも「手首から床までの長さ」や「ライ角」の適正化です。
とはいえ、一般的な目安を知っておくことは役立ちます。標準から大きく外れる身長の方は、調整を検討する必要があるかもしれません。
クラブの長さ調整の目安
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165cm~175cm: 標準の長さで適合する可能性が高いです。
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180cm以上: 標準より0.5インチ程度長くする、またはライ角をアップライト(立てる)に調整することを検討します。
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160cm以下: 標準より0.5インチ程度短くする、またはライ角をフラット(寝かせる)に調整することを検討します。
パターの長さ目安
パターは構え(前傾姿勢)に直結するため、長さが重要です。
一般的に身長170cm前後で34インチが目安とされますが、160cm台なら33インチ、180cm近ければ35インチといった選択も考えられます。
アイアンのライ角目安(参考)
長さ調整よりもライ角調整が優先されることが多いです。
以下は5番アイアンを例にした身長別ライ角の一般的な目安ですが、腕の長さや構え方で変わるため、あくまで参考値です。
身長目安 | 5番アイアン ライ角目安 |
165cm以下 | 59度~60度(フラット) |
170cm前後 | 60度~61度(標準) |
175cm前後 | 61度~62度(アップライト) |
180cm以上 | 62度~63度(アップライト) |
これらの数値は一例にすぎません。
最適なスペックを見つけるためには、ゴルフショップでの試打や、専門家によるフィッティング診断を受けるのが最も確実な方法です。
身長に合うゴルフクラブ 選び方の総括
ここまでに解説してきた、身長を基準にしたゴルフクラブの選び方に関する要点をまとめます。
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ゴルフクラブ 選び方において身長は重要な基準の一つ
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身長はスイングの基本となる構え(アドレス)に影響する
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身長に合わないクラブはスイングの癖や怪我の原因になる
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短すぎるクラブは深い前傾を招きスライスやダフリが出やすい
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長すぎるクラブは構えが起き上がりフックやトップが出やすい
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身長だけでなく「手首から床までの長さ」も非常に重要
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体力(ヘッドスピード)やゴルフの習熟度も考慮する
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手首から床までの長さはゴルフシューズを履いて測定する
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特にアイアンは身長とライ角の関係がシビア
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ドライバーは長さがミート率と飛距離に影響する
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レディースモデルは女性の平均身長と体力に合わせて設計
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身長が高い女性はメンズの軽量モデルも選択肢になる
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国内クラブの多くは身長170cm前後を基準に設計
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身長165cm~175cmは標準スペックで合う場合が多い
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身長に合わせて長さよりもライ角の調整を優先することが多い
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目安を参考にしつつ最後は試打やフィッティングで確認する