ゴルフクラブのグリップの太さが、ご自身のスイングや球筋にどのような影響を与えるか、
深く考えたことはありますでしょうか。
多くの方がクラブヘッドやシャフトに注目しがちですが、実は体とクラブをつなぐ唯一の接点であるグリップの太さは、パフォーマンスを左右する非常に大切な要素です。
太さが合っていないグリップを使い続けると、無意識のうちに力んでしまったり、スイングの軌道が不安定になったりする可能性があります。
この記事では、ゴルフクラブのグリップの太さがスイングに与える影響、それぞれのメリット・デメリット、そしてご自身に最適な太さを見つけるための具体的な方法について、客観的な情報をもとに詳しく解説していきます。
この記事を読むことで、以下の点について理解を深められます。
記事のポイント
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グリップの太さによるスイングへの影響
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太いグリップと細いグリップの長所と短所
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自分に最適なグリップの太さを見つける基準
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グリップの太さを調整する具体的なテクニック
目次
ゴルフクラブのグリップの太さで変わる影響
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グリップの太さの主な種類
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太いグリップのメリット
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太いグリップのデメリット
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細いグリップのメリット
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細いグリップのデメリット
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標準グリップの特徴と選び方
グリップの太さの主な種類
ゴルフクラブのグリップの太さは、一般的に「標準(スタンダード)」「細め(アンダーサイズ)」「太め(ミッドサイズ)」「極太(ジャンボ)」といった種類に分類されます。
これらは主に、グリップ自体の内径やゴムの厚みによって決まります。
多くの新品クラブには「標準」サイズが装着されていますが、これはあくまで平均的な手の大きさを想定したものです。
そのため、すべてのゴルファーに最適とは限りません。
また、グリップ交換時には、シャフトに巻く下巻きテープの枚数を変えることで、標準サイズのグリップでもある程度の太さの微調整が可能です。
例えば、テープを多く巻けば太くなり、少なくすれば(あるいは縦巻きにするなどで)細く仕上げることもできます。
ご自身の感覚や手の大きさに合わせて、これらの種類や調整方法を選ぶことが、快適なスイングにつながる第一歩となります。
太いグリップのメリット
太いグリップを使用する主なメリットは、手首の余計な動きを抑制しやすい点にあります。
グリップが太いと、手先や手首を使った「捏ねる」ような動きが物理的にしにくくなります。
その結果、スイング中にフェース面が急激に返りすぎるのを防ぎ、方向性が安定しやすくなる傾向があります。
特に、ボールが左に曲がりやすい(引っ掛けやフックが強い)ゴルファーにとっては、そのミスを軽減する助けになるでしょう。
加えて、太さがあることで握る力が分散され、必要以上に強く握りしめる「力み」を解消する効果も期待できます。
余計な力みが取れることで、腕や肩の力が抜け、体全体を使ったスムーズなスイングがしやすくなると考えられます。
太いグリップのデメリット
一方で、太いグリップにはデメリットも存在します。
前述の通り、手首の動きを抑制する効果があるため、逆に手首を適切に使ってヘッドをターンさせたい場合には、それが難しくなる可能性があります。
具体的には、フェースが返りにくくなることで、ボールが右に曲がりやすくなる(スライスやプッシュアウト)傾向が出ることがあります。
もともとスライスに悩んでいるゴルファーが太いグリップにすると、症状が悪化するケースも考えられます。
また、ヘッドの重みを感じにくくなったり、クラブの操作性が少し鈍く感じられたりすることもあります。
飛距離を出すためにヘッドを積極的に走らせたいプレーヤーにとっては、物足りなさを感じるかもしれません。
細いグリップのメリット
細いグリップを採用するメリットは、太いグリップとは逆の特性を持つ点にあります。
グリップが細いと、手首や指先の感覚が鋭敏になり、クラブヘッドの操作性が高まります。
手首を使ったフェースターン(リストターン)が容易になるため、ヘッドを返しやすく、ボールをしっかりとつかまえる動きがしやすくなります。
これにより、スイングスピードが上がりやすく、飛距離アップにつながる可能性も否定できません。
特に、非力な方や、ボールが右に出てしまう(スライス)傾向が強いゴルファーにとっては、フェースが返りやすくなることで、スライスを軽減する効果が期待できます。
細いグリップのデメリット
細いグリップのデメリットとしては、手首を使いやすくなる反面、それが過剰になってしまう危険性が挙げられます。
手首を必要以上に使いすぎてしまうと、スイングの軌道が安定せず、特に引っ掛けやチーピンといった左方向への大きなミスが出やすくなります。
また、グリップが細いために指先に力が入りやすく、無意識のうちにグリップを強く握りしめてしまう「力み」が発生しやすい点も注意が必要です。
力みはスイング全体の滑らかさを失わせる原因となり、かえってヘッドスピードが落ちたり、ショットが不安定になったりすることも考えられます。
安定性よりも操作性を重視する反面、スイングの再現性が求められるとも言えます。
標準グリップの特徴と選び方
標準(スタンダード)サイズのグリップは、その名の通り、多くのゴルファーにとっての基準となる太さです。
メーカーがクラブを製造する際に、最も平均的な手の大きさや握力に合わせて設計されています。
太いグリップと細いグリップの特性を比較すると、標準グリップは操作性と安定性のバランスが取れている点が特徴です。
もしグリップの太さで特に大きな悩みを抱えていない場合や、どの太さが自分に合うか判断がつかない場合は、まずは標準サイズから試してみるのが良いでしょう。
標準サイズを基準として使用し、そこからご自身のスイングやミスの傾向(スライスが多い、フックが多いなど)に合わせて、少し太くしたり細くしたり調整していくのが現実的な選び方です。
参考までに、各太さの一般的な傾向を表にまとめます。ただし、これはあくまで目安であり、個人差がある点にご留意ください。
太さの種類 | メリット(傾向) | デメリット(傾向) |
太い | ・手首の動きを抑制 ・方向性が安定しやすい ・力みを軽減しやすい | ・ヘッドターンしにくい ・スライスが出やすい ・操作性が鈍く感じやすい |
細い | ・ヘッドターンしやすい ・操作性が高い ・飛距離が出やすい | ・手首を使いすぎる ・フックが出やすい ・力みやすい |
標準 | ・操作性と安定性のバランスが良い ・多くのゴルファーの基準となる | ・最適とは限らない ・調整の基準点となる |
最適なゴルフクラブグリップ 太さの選び方
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自分に合う太さを見つける方法
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手の大きさと太さの関係
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握り方でチェックするポイント
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グリップの太さを調整する方法
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まとめ:ゴルフクラブ グリップ 太さの重要性
自分に合う太さを見つける方法
自分に最適なグリップの太さを見つけるには、いくつかの方法があります。
最も確実なのは、ゴルフショップや工房などで専門家に相談し、フィッティングを受けることです。
スイングや手の大きさ、ミスの傾向などを総合的に判断してもらえます。
また、試打クラブが用意されている場合は、あえて異なる太さのグリップが装着されたクラブを打ち比べてみるのも一つの手です。
実際にボールを打つことで、振り心地や球筋の変化を体感できます。
感覚的な部分も大きいため、他人の意見だけでなく、ご自身が「握っていて違和感がない」「リラックスして構えられる」と感じる太さを見つける意識も大切になります。
手の大きさと太さの関係
一般的に、手の大きさとグリップの太さには相関関係があるとされています。
手が大きい人は太めのグリップ、手が小さい人は細めのグリップが合いやすいという考え方です。
これは、手の大きさに合わない太さだと、指が余ったり、逆に指が食い込みすぎたりして、適切に握ることが難しくなるためです。
ゴルフグローブのサイズも一つの目安になります。
例えば、グローブサイズが25cm以上と大きい方は「太め(ミッドサイズ)」を、21cm以下と小さい方や女性は「細め(アンダーサイズ)」を試してみる価値があるでしょう。
ただし、これはあくまで目安であり、後述する握り方や好みも影響します。
握り方でチェックするポイント
グリップの太さが合っているかを確認する、簡易的な方法があります。
それは、実際にクラブを握った際の左手(右利きの場合)の指の状態を見ることです。
グリップを握ったとき、左手の中指と薬指の先端が、手のひらの付け根(母指球の下あたり)に「軽く触れる」か「わずかに触れない」程度が、一般的に適正な太さとされています。
もし、指先が手のひらに強く食い込んでいるようであれば、グリップが細すぎる可能性があります。
逆に、指先と手のひらの間に大きな隙間ができてしまう場合は、グリップが太すぎると考えられます。
このチェック方法を基準に、調整の方向性を探ってみてください。
グリップの太さを調整する方法
グリップの太さを調整する最も一般的な方法は、グリップ交換時にシャフトに巻く「下巻きテープ」の枚数を変えることです。
下巻きテープによる調整
通常、グリップ交換時には両面テープをシャフトに1周(1巻き)貼りますが、このテープを2重、3重と重ねて巻くことで、グリップの内径が押し広げられ、結果として握る部分が太くなります。
一般的に、テープを1枚重ねるごとに、グリップの直径は約0.4mm~0.5mm程度太くなると言われています。
逆に、非常に細くしたい場合は、テープを縦に1本だけ貼る(螺旋巻きにしない)方法などもありますが、これは専門的な技術が必要です。
太さの異なるグリップの選択
前述の通り、グリップ自体にも「標準」「細め」「太め」といった異なるサイズがラインナップされています。
下巻きテープでの微調整では追いつかないほど、大幅に太さや細さを変えたい場合は、希望するサイズのグリップ製品を選択するのが早道です。
いずれの方法も、ご自身で行うのが難しい場合は、ゴルフショップや工房の専門スタッフに相談することをおすすめします。
まとめ:ゴルフクラブグリップの太さの重要性
ゴルフクラブのグリップの太さがスイングやショットに与える影響、そしてその選び方について解説してきました。
体とクラブをつなぐ唯一の接点であるグリップは、見た目以上にパフォーマンスを左右する要素です。
ご自身のスイングの悩みやミスの傾向が、実はグリップの太さに起因している可能性もゼロではありません。
この記事で紹介したポイントを参考に、ぜひご自身のグリップの太さを見直してみてください。
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グリップは体とクラブの唯一の接点
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太さには標準・細め・太めなどの種類がある
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太いグリップは手首の動きを抑える傾向がある
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太いグリップは方向性が安定しやすい
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太いグリップはヘッドターンがしにくくスライスが出やすい
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細いグリップは手首を使いやすく操作性が高い
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細いグリップはヘッドを返しやすく飛距離が出やすい
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細いグリップは手首を使いすぎフックが出やすい
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標準グリップはバランス型で基準となる
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迷ったら標準サイズから試すのが良い
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フィッティングで専門家に相談するのが確実
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手の大きさに合わせて選ぶ方法もある
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グローブサイズが目安になる
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握った時の指の触れ具合でチェックできる
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下巻きテープの枚数で太さの微調整が可能